デザイン

デザインの言語化

poo-and-raru

ほとんど独学なものの、5年ほどデザインの仕事に携わって勉強した事、感じたことなどをまとめていきたいと思います。

デザインとは何か?

分かるようでわからない

デザインとは

簡単に言うと、情報を整理して内容を理解しやすくしたり、形状や色などを工夫して使い心地をよくしたりすることではないかと思います。

例えば、ある新しい飲料のポスターを作る場合、その飲料の味やコンセプトを伝えるための色彩を選びます。爽やかなレモンティーであれば、明るい黄色や緑を使って、爽快感を表現するかもしれません。また、その飲料の特長(強調したい情報)があれば、含んでいる成分や、材料などに関する情報を、読みやすく、目を引く方法で配置します。
さらに、レイアウトを工夫して、見る人の目が自然と商品の画像や商品名、キャッチコピーに向かうようにします。
このような手順をへてポスターを作成する事で、商品の情報を効果的に伝え、消費者が飲んでみたい、購入してみたい、と思ようなデザインに仕上がります。

つまり、デザインとは、ただ物事をきれいに見せること以上のもので、情報を分かりやすく伝え、人々が製品やサービスを使いやすく感じるようにする工夫の事です。

そうじゃない

デザインによくある勘違い

デザインの仕事をしていると、デザインというものに関する勘違いをよく見かけます。
良く知ってもらいたいという意味を込めてそれらの事例を紹介します。

見た目だけに関わるものという誤解
デザインは単に製品やサービスを「美しく」すること以上の意味を持っています。デザインは機能性、ユーザビリティ、アクセシビリティ、理解しやすさを向上させることも重要な役割としています。見た目だけでなく、「どのように機能するか」にも重点を置いています。



直感的に行われるものという誤解
多くの人は、デザイナーがインスピレーションだけで、すぐにアイディアを形にすると考えがちです。しかし、実際のデザインプロセスはもっと複雑で、多くの研究や計画が必要です。
デザインをする際には、その製品やサービスを使う人々のことを深く理解することから始まります。どんなニーズがあるのか、どんな問題が存在するのかを調査し、それに基づいてデザインの方向性を定めます。これには市場調査、ユーザーインタビュー、プロトタイピングなど、多くの手順が含まれます。
また、デザインの各ステップは試行錯誤を伴い、何度も改善を重ねることが一般的です。最初のアイデアから完成するまでには、フィードバックを取り入れて何度も修正を加える必要があります。
このように、デザインは直感だけでなく、実際にはデータに基づいた意思決定と計画的なプロセスを経て形成されるため、ただの「閃き」で完結するわけではありません。デザインは論理的で、戦略的な取り組みです。

簡単に、すぐにできるという誤解
良いデザインを作り出すには、時間と労力が必要です。
良いアイデアを思い付いたとしても、そのままうまくいくことは非常に稀で、たいていの場合、初めのアイデアから完成まで多くの改善が必要になります。
デザインは単なる「アイデアを形にする」作業以上のもので、デザイナーがクライアントに提出する制作物は既に何度も繰り返し修正や調整を経て完成したものです。

デザイナーは何でも作れるという誤解
デザイナーはデザインに関するスキルや専門知識を持っていますが、デザインに関連する事ならなんでもできるわけではありません。例えば、デザイナーはイラストレーターではないため、イラストを書ける人は限られますし、イラストが描けたとしても自分の得意な分野のものになります。もちろん時間をかければ、苦手な分野でもある程度のクオリティのものを作ることはできますが、専業の人に頼んだ方が早くて安く済みます。


デザインの価値を低く見積もること
クライアントの中には、デザインの修正や変更が何度行われても追加料金が発生しないと思っている方がいます。この考え方は、デザインプロセスの手間と専門性を理解していないことに起因します。デザイナーは各修正に対しても専門的なスキルと時間を要するため、修正が多くなればなるほど、その分コストもかかります。

また、初期の方向性から180度異なる変更を求めるクライアントもいます。これはプロジェクトの初期段階で十分なコミュニケーションが取れていないことが原因であることが多く、デザイナーが提供する解決策やアイデアの価値を軽視しているとも言えます。このような大幅な修正は、プロジェクトの遅延や追加の費用を生じさせ、双方にとって効率的ではありません。

一部のクライアントは、デザインコンペティションを利用して、低コストで多くのデザイン案を集めようとします。これは一見経済的に見えますが、多くのデザイナーが適切な報酬を受け取らずに専門的な労力を提供することになり、業界全体の価値を下げる結果を招くことがあります。また、このアプローチは深い理解に基づくデザインよりも表面的なアイデアに偏りがちで、最終的な品質にも影響を与えます。

なんだかデザインは何か?という事よりも、デザインによくある勘違いがテーマになってしまいましたがいかがだったでしょうか。

デザインをこれから始めようとする人だけではなく、デザインを依頼する側の人にも理解を深めていただければ幸いです。

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